地震、台風、大雪などの災害時の対応についてこれまで書いていきました。
日々の営業で災害を常におびえて営業する必要はないでしょうが、いざという時に
なかなか動けないのが人間です。普段から物の準備と災害の対応の流れを見直していきましょう。
今日は火災や停電、ガスのトラブル発生時についての対応をまとめていきます。
お互いに学んでいきましょう。
過去に自分が担当しているエリアの店舗で火事にはなりませんでしたが、危ない時がありました。たわし類を煮沸消毒するため、寸胴でぐつぐつと煮込んでいました。なんとそのまま火を止めず、さらにガスの元栓も閉めずに従業員は帰宅してしまいました。その数時間後、寸胴のお湯はなくなり、たわし類が燃え、煙で充満して火災報知器が鳴ったようです。どこにも燃え移らず、被害はなかったのですが、消防署、1Fのテナントさんには多大なご迷惑をおかけしました。
このようなことが無いように普段の作業を確実に行い、閉店、退店の作業も漏れなく行うことが重要です。しかし、どんなに注意しても起こってしまったら対応するしかありませんので、改めて勉強していきましょう。
火災時の対応
対応方法
1. 出火を発見・連絡を受けた者は、大声で連呼し周囲に知らせる。
「火事だー、火事だー・・・」
2. 非常ベルを押す
3. 小さな火でも「119番」通報。テナントに入居している場合は同時に管理事務所に連絡する。
ア)火災であることを伝える
イ)火災現場の場所(住所)を伝える
ウ)出火の原因、現在どのような状況か。何が燃えているか
エ)けが人の有無・人数・状況
オ)通報者の名前連絡先
4. キッチンの従業員はすぐにコンロの火を止める。
5. 消火器、バケツ等で初期消火作業を行う。ただし、天井に燃え移る、または炎が自分の背丈以上になったら中止して避難する。
6. 燃えている場所の窓、扉を閉めて空気を遮断する。
7. お客様を出口に誘導し、避難する。特に、高齢者、障害者を優先する
「お客様に申し上げます。只今、火災が発生しております。お荷物をもってゆっくりと、誘導にしたがって避難してください。」
※怖いのは一酸化炭素中毒と青酸ガスです。逃げる際は煙を吸わないように、姿勢を低くしてハンカチなどで口を覆う。
※一旦避難したら、絶対に戻らない、戻させない。
8. 避難時は盗難防止のために店舗内外の警戒を怠らない。
9. 店舗の被害状況の確認、電気、ガス、水道等のインフラ機能、安全性の確認を行い、営業に支障がある場合は上司に連絡し指示を仰ぐ。
10. 現場検証、消防署、警察署の要請があれば積極的に協力する。
ロードサイドの店舗でしたら、すぐに店外へ出れば危険は少ないと思います。ビルインの店舗は避難経路を普段から把握し、非常口や非常階段が物でふさがれていないかチェックしてください。
停電時の対応
普段あまり停電は起こらないですが、落雷が多い夏場は注意が必要です。また、自然災害に付随して起こることがあるので災害時の対応とセットで覚えていきましょう。
対応方法
1. 店長(不在時は代行者)は店外に出るなどして、自店のみか、ビル全体なのか、地域一帯の停電なのか確認する。
2. 冷蔵庫、冷凍庫、製氷機などの動力機器のスイッチをオフにする。
※復旧した際の通電により、機器に負担がかかり異常をきたす恐れがある。
3. お客様に大きな声で状況説明する。
「只今原因を調査しておりますので、しばらくお待ちくださいませ」
・自店のみが停電の場合
コンセント、事務機器、設備機器でショートしている箇所はないか点検する。
1)コンセントの場合 ⇒ コンセントに接続しているすべての機器をオフとし、配電盤の当該コンセントのスイッチを切った後、ブレーカーのメインをオンにする。https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/teiden_info.html#teidenrenraku(経済産業省)
2)事務機器、設備機器の場合 ⇒ 当該機器のスイッチを切り、コンセントから抜いた後にブレーカーのメインをオンにする。
3)原因不明の場合は本部に連絡して点検を依頼する。
4)入居しているビル全体が停電の場合 ⇒ ビル管理事務所に停電の原因と復旧見込みを問い合わせる。
・地域一帯が停電の場合
東京電力に停電の原因と復旧見込みを問い合わせる。
4. 長時間の停電でお客様に待っていただけない場合は飲食した分の代金だけいただく。
※会計は電卓で計算し、伝票に合計金額を記入する。必要なら手書きの領収書を発行する。
5. 復旧見込みがつかない場合は、ビニール袋に氷を詰めて冷蔵庫に入れる。
6. 通電したら機器のスイッチを入れて動作確認を行う。
7. ガス、水道、などのインフラ機能・安全性を確認し、営業に支障がある場合は上司に連絡し指示を仰ぐ。
約20年前になりますが、営業中に停電が起こったことがありました。外に出てみると周りの家も真っ暗だったため、自店だけではないと気づきました。お客様には説明し、復旧を待ちました。焼肉店だったので、停電により無煙ロースターが煙を吸わなくなり、店内が煙だらけになったことを覚えています。食事を途中で止めて帰るお客様の会計作業に追われている間に復旧しました。
お客様への説明と手計算の会計作業に追われ、キッチンを含め従業員に対して指示などは出せなかった記憶があります。一人でお客様含め店内全ての人間に指示、対応するのは難しいです。
部下もこういった事態に対応する知識を身に付け、万が一の時は役割分担ができるよう
普段から共通認識をとっておいてください。
まとめ
火災時、停電時の対応について書きました。火災は命の危険があります。
速やかに避難するようにしてください。特にビルイン店舗の皆さんは避難経路、非常口を把握し、通路は確保しておきましょう。
火災も停電も起きないことに越したことはありませんが、不測の事態に備えるのもストアマネージャーの5大職務の中の一つですので、お互いに勉強しておきましょう。(マネージャーの5大職務参照)
このような緊急事態に対するマニュアルがあまり整備されていない店舗にお勤めでしたら
この記事を流用していただければ幸いです。