以前、緊急事態の対応についてお話ししました。そこでは、機器が動かない時、
ガスが止まった時、水が出ない時についての対応を記載しています。
ここでは自然災害による緊急事態の初期対応についてお話ししようと思います。
内容が重なる部分もあるかと思いますが、共有していきましょう。
近年自然災害は珍しいことではなくなっています。相変わらず地震も多いですし、
台風や豪雨の頻度や勢いは増しています。暖冬かと思っていると、大雪になったり
本当に予測がつきませんよね。
今回の記事を読めば災害時の初期対応が分かり、実際に起こった時パニックにならない
と思います。
書きながら私も対応方法を再確認し、実際に動けるようにしないといけないと思っています。
災害時の対応
災害と言ってもいろいろあります(地震、台風、豪雪、落雷、竜巻・・・など)。
これによって健康、生命、財産、環境に危険が迫ってきます。事態が自然に収束するのを待ってから対応せざるを得ないものもありますが、多くの場合は被害を最小限に留める行動をしなければなりません。
災害対応共通のポイント
➀いつ起こるかわからない緊急時に備えておく
・緊急時の避難場所を決めており、全従業員が知っていること
・各市町村で定められた災害時の避難場所も確認しておく
・ハザードマップを確認し、近隣地域でどのような災害が起こりうるか確認しておく
・最新の緊急連絡体制を事務所に掲示しておくこと
・必要最小限の緊急用具があること(救急医療薬品、懐中電灯、ラジオ、拡声器など)
・店内やビルの避難ルートを確認しておく
・非常口付近に物を置かない、扉をふさいでいないか
・ミーティング等で緊急時の初期対応を教育・訓練すること
②発生時のポイント
・店長(不在時は代行の責任者)は緊急時に事態を把握し、役割指示を出す
そのためには状況を把握することが大事です。発生後の5分間の初期対応で結果の
大半が決まると言われています。早く、正確に。
・被害を最小限に留める対応を行う
初期消火、避難誘導など
・お客様、従業員の人命を最優先にする、危険にさらさない。
・避難時は二次災害、盗難防止のために店舗内外の警戒を怠らない
・上司に報告、連絡、相談をする
③事後のポイント
・お客様、従業員の避難状況の確認
・けが人の対応をする
・必要に応じて、公共施設(警察署、消防署、保健所)、お取引先(電力会社、ガス会社、
水道事業者、警備会社)に連絡する
・どんなに軽い事態でも上司に報告する
・復旧作業に全力を尽くす
このように、事前の準備(知識、物)、発生時の対応、事後対応と3段階の対応が
必要です。
地震時の対応
いざ地震が発生したらどう動くかお互いにしっかり確認しておきましょう。
2011年東日本大震災の時、私はたまたまランチの暇な店にいて、ちょうどノーゲスト
状態でした。ですから、コンロとフライヤーを切って落ち着くまで様子見ていた程度です。
被害も少なかったので他店での被害の大きさを後で知って恐怖を感じたのを覚えています。
あれから11年経過しましたが、再度大きな地震が来たら適切に対応できるでしょうか。
正直言って私は自信ありません。
改めてこの記事を書きながら、私自身も確認していきます。
①地震時の初期対応
・恐怖を感じる揺れの場合、テーブルの下に隠れるよう大声でお客様に知らせる
・出口を確保する
近くにいるスタッフはドアを開けておくようにしましょう。
建物が歪んで開かなくなることもあります。
・コンロの火を止める
火は地震発生直後に素早く消す。
・店長はお客様を避難誘導できるよう客席の中央で待機する
・けが人がいる場合は応急処置、救急車の対応をする
②大型地震時の対応
立っていることが困難な大型地震の場合(震度6弱以上を想定してます)
・テーブルの下に隠れるよう大声でお客様に知らせる
・落下物、ガラスの破損による事故の恐れがあるので、店外に出ない、出さない
「お客様に申し上げます。落下物が危険ですので、しばらくは店舗の外に出ませんようにお願いします。」
・揺れが収まったら、店外に避難する
お客様、高齢者、障害者を優先する。
「揺れが収まりましたので、お荷物をもってゆっくり誘導に従って店外へ避難してください。」
・ビルイン店舗はエレベーターではなく階段で降りる
もしエレベーター内にいる場合、全てのボタンを押して停止した階で降りる。
閉じ込められたら、非常ボタンを押して救助を待つ。
・安否確認をする
火災は発生してないか。個室、トイレにいたお客様が被害を受けていないか。
・お客様、従業員の避難状況の確認、けが人の対応をする
・店舗にあるラジオなどで災害情報を把握し、お客様、従業員へ情報提供する
・店舗の被害情報を確認する
電気、ガス、水道などのインフラの機能・安全性の確認を行う。
③被害が大きくて営業できない
電気、水道、ガスなどのインフラが地震で止まってしまい、復旧しなければ
営業続行不可能ではないでしょうか。このような時どう対応するかも想定しておきましょう。
営業不能時の対応
・お客様に状況説明
「申し訳ございません。○○が復旧せず、これ以上の商品提供ができません。」
・代金の精算
提供したものを全部食べられなかった場合などは配慮が必要かもしれません。
電気が止まっていればレジも動かないでしょう。
その場合どうするかなど事前に決めておくとよいと思います。
(その日はお代をいただかない。一律1,000円にする。食事途中の方は500円にする。連絡先を伺い後日精算してもらうなど)
※実際に大きな地震が来た時、いろいろ判断に迷うと思います。その時、その店の被害状況を分かっているのは本部でも、上司でもなく、そこにいる店長です。代金回収も重要ですが、人命を最優先した方が良いでしょう。自分が判断したことが最良と信じていきましょう。(自分にも言い聞かせています)
まとめ
自然災害への対応は実際に経験することは少ないですし、正直言ってあまり経験したいとは思いません。しかし、お客様、従業員を守る我々はやはりいざとなったら先頭に立ち動かなければならないと思います。
知識すらなければ、動くこともできないと思います。私自身も勉強し直し、定期的に見直しや従業員との共通認識をとることが必要を感じています。
もう少し災害時の対応は書いて行こうと思います。
今日もこの記事が少しでも現場の店長にお役に立てれば幸いです。