前回はフロア作業の構成、優先順位のお話しをしました。
優先順位を確認すると、
フロアの優先順位(①が最も優先順位が高く以下順番に下がっていきます)
①お客様の要望、苦情
②店長の指示
③ご案内、お会計
④オーダーリング
⑤ドリンク提供
⑥料理提供
⑦お冷おしぼり提供
⑧中間サービス
⑨バッシング
このような順になります。
今回は簡単な例を上げて、お話ししたいと思います。
これを読めば、優先順位を覚えたことを実際のオペレーションで
使いやすくなると思います。
優先順位の運用
前提条件として、ピークタイムに必要な人揃え(人数×能力)をしてください。
また、まだひとり立ちできていない新人さんを配置しているときは、
常に作業指示をするか、定型で行えるポジションに配置しましょう。
(ドリンクを運ぶ、料理を提供する専門にするなど)
実際のオペレーション中では、
①のお客様の要望や苦情は最優先で動きます。
②店長の指示も優先順位高いので、やろうとしていた作業を止めて、指示に
従ってください。
③~⑦で同時にそれらが発生した場合、数字が小さい方を優先します。
例1)ドリンク提供しようとパントリーに入る時、レジにお客様が立っていたので、
レジに入った。ドリンク提供は他の従業員に指示して自分はお会計をする。
例2)料理を提供しようとしたが、新規オーダーのベルが複数なったため、
一度オーダーを取りに行く。
例3)ご案内したお客様へお冷おしぼり提供しようとパントリーに入ったら、
料理提供が滞りそうだったので、一度料理提供に入った。
例4)ウェイティングのお客様をご案内するため、バッシングしようとしたが、
新規オーダーが集中したため、バッシングを止めた。新規オーダーを取り、
そしてドリンク提供、料理提供までフォローしてバッシングに戻った。
このようにまず自分が動けるようになり、従業員全員ができる事が大事です。
そうすることで、お店主導でお客様をコントロールできてきます。
ポジション制をとり、分業でオペレーションする場合、ポジション担当者を
フォローで他のポジションへ移した場合は必ず元に戻すことも
忘れないようにしてください。
優先順位の共有しよう
全員が優先順位を理解し、動けるようになれば、どんなに忙しくても
オペレーションが乱れることなく落ち着いてサービスできます。
週末や繁忙日は忙しいですが、全員が同じ認識のもとオペレーションが
できていればストレスなく働けます。
スムーズなオペレーションはお客様に良いサービスを提供できているのと
一緒ですから、お客様の満足も得られます。その結果お店は良い循環を生みます。
働きやすい⇒サービスの質が上がる⇒お客様が満足⇒また来店される⇒
売上が伸びる(安定する)⇒予測がしやすい⇒定型の人員配置で営業できる
⇒働きやすい・・・
逆に、お客様に振り回され、各所で苦情対応していれば、オペレーションは
一気に乱れていき、お客様も従業員も不満が多くなり、悪循環を生んでいきます。
ピークタイムに怒られる⇒働きにくい⇒サービスの質が下がる⇒客数減⇒
人件費を使い難くなる⇒人を減らす⇒ピークタイムに対応できない⇒
ピークタイムに怒られる⇒・・・
幼児のサッカーのようにボールに振り回される営業から脱出し、
フロア従業員主導で組織的に営業できれば、ピークタイムはサッカーや
バスケットボールの試合のようで楽しくなります。
(ポジション制のフロアコントロール その壱参照)
まとめ
優先順位はまず理解し、覚えて実践していくことが大事です。
特に新人さんをここまでできるようにすることがお店の実力維持、向上に欠かせません。
新人さんへは作業を一通り教えたら、優先順位を教えてください。
実際に一人で(他人の指示なしに)これができるようになるには
数か月かかるかもしれませんが、根気よく教えていってください。
ピークタイムに乱れた営業ばかりで、従業員のストレスが多ければ次第にシフトに
入りたがらなくなり、人も不足していきます。負のスパイラルに陥ると抜け出すのは
大変です。おそらく誰しも経験していると思います。
店内で優先順位を共有し、円滑なオペレーションができるよう取り組んでみてください。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。