飲食店店長の準備業2つ目は発注です。
毎日忘れずに適正量発注することはもちろんですが、
力を入れるべきは適正の在庫量を決めることです。
毎日の発注作業は部下やパート、アルバイトさんに任せて良いのですが、
適正在庫量や発注の基準値は店長が決めるべきです。
キッチンの責任者が決めても良いですが、放置せず、確認は必要です。
発注が適正に行われないと、欠品が発生しオーダーストップ商品が
出てきます。お客様は食べたかったメニューが食べられなくなり、
失望されます。時に大きなクレームにもなります。
過剰に発注してしまうと、食材の鮮度劣化が起こり、品質が低下します。
また、ロスも発生し材料費の無駄になります。
適正在庫量について
システムが整っている会社であればPOSデータを元に適正在庫が算出され
更に予測客数を組み込めば、発注量まで算出してくれると思います。
発注まで自動化しているかもしれません。
全くシステムもなく、手作業で在庫量を決める場合、
100名指数という数値を使って在庫量を算出していました。
在庫量算出手順
1.出数の算出
一定期間(1か月単位が良い)で各メニューが100名当たり何品注文されているか算出する。
例)客数10,000名/月 単品牛タン500人前/月だったとすると
500人前÷10,000名×=0.05 ⇒ 客数1名当たりの注文数
0.05×100名=5 ⇒ 客数100名当たりの注文数
100指数「5」となる。
お客様100名来たとすると5人前は出ている、という数字。
2.レシピ分量を算出しておく
例)単品牛タン1人前 100g、牛タン定食の牛タン 120g・・・
3.使用量を算出 100名指数を使用
100名指数での食材使用量を算出する(100名来た時の理論使用量)
例)単品牛タン100名指数5・1人前 100g
5×100g=500g
お客様が100名来たとすると牛タンは500g必要
4.予測客数をかける
上記の3で算出した100名指数に予測客数をかける。
例)200名の客数予測では
上記の3より、牛タンは100名当たり500g必要 ⇒ 200名予測なら、1,000g必要
予測に連動した在庫量が算出できる。
5.余裕を持つ食材と余裕量を決める
算出した適正在庫より少し多めに在庫を持つ。
主力商品は100名指数基準値の1.3倍。他は余裕を持たない、など。
上記の適正在庫はデータを元に算出しましたが、お客様はデータ通りには
なりません。客数もそうですし、注文内容も偏ることは日常です。
しかし、オーダーストップを恐れて多すぎの発注では意味がありません。
どれくらい余裕を持つかは食材によるでしょうし、経営者、店長の考えによっても
変わると思います。そこは店内、社内で協議して決めてください。
発注のまとめ
上記のように適正在庫を決めて、発注作業をしてみてください。
分かりやすいように上記の例では牛タン1品で記載しましたが、
実際は1つの食材が多くのメニューに使用されるため、
適正在庫算出は複雑で面倒になると思います。
全てのメニューや食材を手作業で集計、計算していたら大変な作業量なので、
大枠を決めて、営業しながら修正していっても良いと思います。
AIが発達してこのような
適正在庫量算出や発注作業はどんどん自動化していくと思いますが、
店長として考え方は理解していた方が良いと思います。
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