店舗ビジネスをしていれば個店ごとの業績表があると思います。
PL表、店舗実績表、損益表など各社呼び名はあると思います。
要するに、この店はいくら売上(収入)があり、いくら経費(出費)があり、
いくら利益(手元に残り)があったか見る表です。ここに店長の一か月の
マネジメントの結果が表れています。
この結果を見て更に今後店舗の業績を良くするための行動をしていかなければ
なりません。
正しくPL表が見られなければ、正しい今後の対策が打てないのでまずは
味方について書きます。
それぞれの「数値の基準値を知ること」ただそれだけです。
損益書の見方
店長経験が長い方は数値の味方や数値の意味は分かっているでしょうが、
見慣れない部下は「数字」と聞いただけでアレルギー反応を起こす
人もいると思います。
かつて私の部下でパチンコやスロットの確率にはめっぽう強いのですが、
店舗の数値について尋ねると、モゴモゴしだす人もいました。しかし、彼も
数年後には立派に店舗運営できる店長に育ちました。
店舗の数値で難解な方程式を使うことはありません。臆病になる必要はありません。
基準知り、良いか悪いか判断していけば良いのです。
基準値を知る
先に触れましたが、損益書を正しく見るには「基準値を知る」だけです。
その基準に対しての差が、成果であり、問題点でもあるのです。
例えば売上高で見てみると、
A店・・・2,000万円/月 前年比 88%
B店・・・1,200万円/月 前年比 101%
A店とB店はどちらが評価に値するでしょうか。
売上高はA店の方が800万円/月も上ですからA店の業績が良く見えますが、
前年比88%ですので、前年に対して12%も売上を落としています。
売上の高さを基準とするか、前年比を基準とするかでどちらが良いか
見方が変わります。
ですから、売上、客数、材料費、人件費、水光熱費などなど・・・、
各数値結果には良し悪しを判断する基準値が決められていて、
その基準を知っておくことが最も重要となります。
その基準に対して良化させていれば、さらに伸ばし、悪化していれば
原因を追究し改善していきます。
基準値については会社や店ごとに異なると思いますが、一般的と
考えられるものをこれ以降書いていきます。
売上高
前年比 前年に対して増えたか減ったか。
客数
前年比 前年に対して増えたか減ったか。増減の原因は店舗の商品、
サービスの状態が良かったかどうか。客数減の影響は商品の味付け、提供時間が
大いに影響します。競合店の出店などに影響も受けるでしょう。
客単価
前年比 前年に対して増えたか減ったか。
ただし、同一メニューでの比較が条件です。
メニュー政策上客単価を上下させることもあるので注意です。
同一メニューで客単価が上がっていれば、サービスや提供時間が向上していると
考えられます。店舗従業員のオペレーションレベルが上がってきているのでしょう。
下がっていると全く逆のことが考えられます。
材料費
理論原価が基準。理論原価に対しての差が問題。
原価には理論原価が設定されているはずです。もしなければ、通常月の
平均値を基準としてもいいかもしれません。
材料費は抑えれば抑えるほど利益は出ますが、その分お客様に規定より
貧素な商品を出していることになります。
逆にお客様に喜んでもらおうと、多めのポーションで商品を提供すると
原価が上がり、利益は減ります。
ですから、材料費は理論原価に近い方が適正な営業ができていると言えます。
メニュー改定時や旬メニュー導入時は理論値が動きますので気を付けましょう。
人件費
標準時間が基準。客数に応じて適正労働時間が何時間と決めておきます。
居酒屋や焼肉業態など客単価が高い業態は人時売上高を基準とする場合も
あると思います。人件費率を基準とするところもあると思います。
自社の基準を確認してください。
人件費=労働時間×時給単価です。時給は今後下がることはないと思います。
ですから、いかに効率良く作業するかが人件費を抑えるにはポイントとなります。
水光熱費
前年実績と自店の平均構成比が同じかどうか。
例えば、ある店の水道代が営業収入のうち3%で推移していたら、構成比3%を
基準値として毎月見ていくということです。
固定費的な側面が多いですが、節約するための努力としつけで抑えられます。
水道代は地域によって単価が大きく異なるので注意してください。
消耗品・食器器具費
自店の平均構成比と同じか。客数前年比とスライドしているか。
営業収入に対して何%で推移しているのか。それに対して良いのか悪いのか。
客数前年比と同じ動きをしているかも見るべき点です。
利益
基本的には前年比。また利益率が前年より上がったかが基準。
会社によって何の利益をもって店長の評価・査定になるか違うと思います。
・管理可能利益(店舗で管理できる範囲内の利益)
・営業利益(売上から全ての経費を引いた残り)
どちらか対象になるかは確認してください。
まとめ
まずは自分の店の業績を知り、さらに良化させるには基準を知らなければ
なりません。それを覚えていきましょう。