損益書はある一定期間の店長のマネジメントの結果が表れています。
その見方については前回記載しました。
ここからはその結果を見て数値を改善し、より良い業績を作るため
基準値から外れる項目について対策を考えていきます。
まずは収入に大きく関わる客数についてです。
これを読めば数値改善の役に立てると思います。
客数対策
損益書において客数の基準値は前年比でした。
オーバーストアのこの時代に毎年前年客数を超え続けるのは大変なことです。
しかし、前年比が落ちているのは問題です。
改善するにはまず、
店舗の商品、サービス、クリンネスの品質を上げることです。
食事をふるまう外食業はやはり基本が大事ですよね。
商品の品質を上げる
①マニュアル通りの味付けか
商品の味見は毎日してください。また、ご飯、スープ、だし、つゆ、バッタ液など
基本の食材は朝、ディナーピーク前、ピーク終了後には味見する必要があります。
②正しい盛り付けになっているか
盛り付けも重要です。メニューブックに写真を載せていれば尚更です。
SNSを利用している方の多くは写真を撮ります。
見た目は美味しさの一部ですが、近年その比重は増していると感じます。
③提供時間は基準を守れているか
決められた時間内に提供できているか。
できていない原因は何か。(能力不足、人不足、客数予測オーバー、スタンバイ不足・・・)
以上の①~③は守られているでしょうか。美味しい料理がより早く提供できていなければ
お客様の再来店はありません。特にランチタイムに提供時間が遅いのは致命的です。
客数増加対策には、旬メニューや流行りの食材を使ったメニューを導入し、
お客様を飽きさせない施策も重要ですが、上記の ①~③ が基本です。
サービスの質を上げる
これもはずは基本から見直すことです。
①感じの良いサービスはできているか。
感じが良いとは、
・笑顔
・声のトーン
・目を見て接客する
・スピード感
「スピード感」について補足します。
これは文字通りフロアスタッフの動きの速さのことです。お客様との接する時
感じが良くても、ダラダラと歩いたり、のんびり片付けをしていれば、お客様へ
良い印象を与えません。特に満席ウェイティング状態ではお客様は従業員の動きを
良く見ています。スピーディーに動いている従業員を見ればお店は確実に回っている。
直に自分の順番が来るという安心感につながります。
②中間サービスを忘れない。
食事を終えて、談笑しているときに必ずこちらからサービス
していきましょう。食器を下げることはもちろん、お冷交換、お茶の提供など
積極的に行い、お客様が楽しい時間を過ごす手助けをしてあげてください。
クリンネス状態保つ
①汚れている所を無くす
玄関、風除室、客席、窓のサン、ドリンクバー周辺、床などなど・・・お客様の
目線が行くところの汚れを無くすことです。
お客様には見えませんが、キッチン内も汚れはなくしましょう。
②磨き上げる
汚れている箇所がなくなったら、磨き上げてピカピカにするのが次のステップです。
特に厨房機器や作業台のステンレスは磨き上げると光ります。
ここまで行くと「きれいな店」がその店の文化となり根付いていきます。
きれいなキッチンが少しでもお客様の目にとまれば安心感が生まれます。
食べ物を扱うお店ですから、きれいなことで損することは何もありません。
まとめ
客数を上げる簡単な方法はなく、やはり上記の基本を守り継続していくことが
大事だと思います。クーポン券を配ったり、割引セールしたりすれば、
一時客数は戻ります。しかし、それは宣伝ですから、来ていただいたお客様に
満足してもらい、それを続けなければ客数は増えません。
これは20年外食業に勤務した実感です。
次回以降は経費項目について書きたいと思います。