今日は食品展示会の見学方法について書いていきます。
これからの夏から秋は食品展示会の第二のピークです。月に1回程度大きめの展示会が開催されます。飲食店に勤務する皆さんも日々勉強は大事です。食材、食器、器具、消耗品、システムなど情報をキャッチしておけば、現場の改善や商品の改良に役に立ちます。社内で出世を目指す人も、独立を目指す人にも有益でしょう。
これを読めば、商品展示会に初めて行く方も不安なく見学できます。
なぜ展示会に行くか
一言でいえば、現状を今より良くするためです。
店長、マネージャー、本部スタッフなど職務は違っても、改善、改良したいことをそれぞれ抱えていると思います。個人事業主の方も毎日の営業で困っていることはあるはず。
それを解決するものやヒントを探しに行きます。
具体的に言うと、「メニュー開発に向けた食材探し。品質を上げつつ、今より安い商品を探す。作業を改善できるような道具を探す。店舗運営が楽になるシステムを探す」、など。
展示会は日本全国、また海外からも企業が集まります。今まで出会えなかった企業、商品を一度に見られるチャンスなのです。
こんな人は展示会に行ってみてください
①現場の悩みを解決したい
②食材、商品を探したい
新商品のため、価格低減のため、品質向上のため
③新規取引先を探したい
原料の安定供給のため、新商品のため、価格低減のため、品質向上のため
③流行をキャッチしたい
④食材、商品知識を得たい
⑤より便利な道具を探したい
⑥調理機器を探したい
⑦POSシステムなどを探したい
⑧シフト管理システム、発注システムなどの店舗システムを探したい
⑨工場用の機器を探したい
⑩出世や独立するために勉強したい
今の職務で困っていることを解決できるきっかけになるかもしれません。また、様々な商品や企業を見ることで
「いつかこの人たちと取引して会社を動かす人になりたい」
「独立してこういった企業と取引したい」
などとモチベーションも上がるはず。
展示会に行ったことのない人も一度参加してみてください。新たな発見があるはずです。
入場の仕方
初めての方用に入場方法を説明していきます。事前に準備しておけば参加は無料です。
①DM(招待券)と名刺を持っていく
一度展示会へ参加すると、次回開催の数か月前にDM(招待券)やメールが届くと思います。それと名刺を持参し、受付してください。職種や来場の目的など記入する項目があれば事前に済ませてしまえばスムーズです。
②ネットで事前登録をする
DM(招待券)がない方は展示会のホームページから事前登録をしましょう。必要事項を入力すれば当日入場できるQRコードがメールで届くと思います。当日はそのメールと名刺を受付に提示してください。
事前登録は締切日がありますので早めの登録をお勧めします。私は以前、3日前くらいに登録しようとしたら、締め切りを過ぎていて行けないこともありました。
③入場料を払って参加する
DM(招待券)もなく、事前登録もない方は直接受付で入場料を払えば参加できます。ただ、私はこの方法で参加したことはありません。イベントにもよりますが、入場料は5,000円程度かかりますので、事前の登録をお勧めします。
※名刺は多めに持っていきましょう。企業のブースでは必ず名刺交換が行われます。
受付を済ませたら
入口に会場内の地図や参加企業一覧が載っているパンフレットがあるので、まずは確認しましょう。それを見て、回る順番を決めた方が良いです。
「大手メーカーの食材が見たい。地方のまだ広く知られていない食材を発掘したい。POSシステムを見たい。器具を見たい」など、それぞれ目的があると思います。
目的に沿って効率良く回るため、まずは回る経路を決めましょう。
東京ビックサイトや幕張メッセなど会場が広いと想定より時間がかかったりします。また、お目当ての企業にたどり着くまでに余計な時間を費やしてしまうこともあります。
参加目的と経路を明確にしておけば、効率良く、有意義に時間を使えます。
企業のブースにて
お目当ての企業、興味が惹かれるブースへは積極的に行って話を聞きましょう。試食できれば積極的に食べて味を確認してください。そして、その商品のについて詳しく聞いてみましょう。
食材や商品を自社で使いたいと思ったら、少し突っ込んだ話をします。
・直接取引ができるか。問屋を介さないとダメか。
・自社の現状の商流を話し、それに乗せられるか。
・おおよその店着価格を確認する。
・製造ロットや配送ロットも確認する。
・支払いサイトを確認する。
などです。会社対会社ですから、お互いのルールがあります。それを確認していくことが大事です。
純粋に勉強で行っている場合はその旨伝えてください。
「勉強で来ています。すみません、仕入れの権限は私にはありません」
相手も新規取引先を探そうとしていますので、伝えた方が親切だと思っています。
伝えておかないと、展示会が終わった後、営業の電話が来ますので、後の対応も大変です。
パンフレット、商品カタログをもらう
試食したり、実際に見て良かった商品や、取引したい企業はパンフレットや商品カタログをもらいましょう。一日に多くの企業を見て回るので、時間が経てば忘れてしまいます。それを防ぐためにも役に立ちます。食材を店で調理して試したければ、サンプルをもらえるか聞いてみます。
記録に残す
パンフレット、商品カタログをもらうことに似ています。自分の記憶を過信してはいけません。時が経てば忘れます。印象に残った商品があれば、スマホのメモでも、ノートに書くでも、何でも良いので記録に残しておいてください。名刺も名刺ホルダやアプリで管理することをお勧めします。
今すぐに必要ない商品でも、後のメニュー開発や食材発掘の時にこの記録や名刺が役に立ちます。
展示会参加後
実際に使ってみたい食材や商品があったり、取引したい新規企業があったら、後日連絡してください。担当者と商談して話を進めましょう。
また、業者と話を進めるのと同時に社内でもプレゼンして仲間や上司と共有します。そして、新商品開発や、原料の品質向上、価格低減、オペレーションの改善につなげていきます。
東京で開催される主な食品展示会
1月下旬 焼肉ビジネスフェア・・・お肉、スイーツ、お酒 ロースターなどもあり
2月中旬 ホテルレストランショー・・・POSや広告、シフト管理、発注など店舗システムの企業も多い
2月下旬 スーパーマーケットトレードショー・・・大手から中小メーカー、地方物産展的なブースまで多岐にわたる。食材を探すには一番。
3月上旬 FOODEX JAPAN・・・輸入品、商社発掘には良い
4月上旬 ファベックス・・・デザート、スイーツ多め
6月下旬 食の魅力発見商談会 JFEX(国際 食品商談WEEK)
8月上旬 カフェレスジャパン・・・カフェ系の飲料、スイーツ中心
8月下旬 ジャパンインターナショナルシーフードショー・・・魚、魚加工品
9月中旬 フードスタイルジャパン・・・外食、中食幅広い
10月上旬 地方銀行フードセレクション・・・地方の知られていない商品に出会えるチャンス
12月上旬 ドリンクジャパン・・・飲料中心、クラフトビール醸造設備などもあり。
私が主に行っていたメジャーな展示会です。4月以降の展示会はその年によって時期や場所がしばしば変わります。随時ホームページで確認してください。
まとめ
毎日現場で働いていると、ついつい現状に流されてしまいます。本部スタッフの方も既存の取引先とのやり取りのままでは、マンネリ化が進みます。ネットで調べればいくらでも企業や商品が出てきますが、実際に商品や機器、サービス内容を見て、話を聞けるのは展示会ならではの良いところです。特に日本全国から多くの企業が出展される展示会では、ネットで探せない企業にも出会えるはず。
ぜひ展示会に出向いて、現状の悩みを解決するきっかけを探してください。
今回の記事がお役に立てれば幸いです。