管理業務

クレーム対応について (よくある事例・異物混入・料理が遅い)

前回クレームはなぜ起こるのか。起こった時の対応の流れについて

書いていきました。今回はクレームを受けてからの報告についてと、

クレームの具体的事例を少し挙げてみます。

ここで挙げるのはあくまでもセオリーの事例です。

お客様の要望にお応えするのが優先であることは忘れないでください。


この記事を読めばよくあるクレーム対応の仕方がわかり、

部下に伝えやすくなると思います。

パート・アルバイトからクレーム報告をさせる

クレームが発生したら責任者が対応すればお客様は安心しますし、

お店の責任者が対応してくれている、と誠意を感じると思います。

ですから、責任者、すなわち店長が対応することが望ましいです。

しかし、店長が365日オープンから閉店まで店にいるわけではありません。

店長もしっかり休みを取り、残業無しで帰宅するべきです。

また、店にいても全てのお客様を自ら接客することはありません。

だから、勤務する従業員全てが初期対応し、正しく報告できるように

しておきましょう

パート・アルバイトがクレームを受けた場合

前回の記事でお話しした、対応の流れに沿って対応します。

クレーム対応はパート、アルバイト、社員、誰でも流れは一緒です。

ここで注意することは、新人さんでも「1、お詫びをする、2、お客様の言い分を聞く」

までは最低限できるように教えておきましょう。

その後、責任者へ対応を代わってもらいます。

「申し訳ございません。ただいま責任者をお呼びしますので少々お待ちください。」


クレーム内容を報告する


責任者へ対応を引き継ぐ際にはしっかりクレーム内容を報告してください。

何番テーブルのお客様が、何に対して怒っているのか、何名様か、性別、何歳くらいか、

応急処置はしたか(こぼした⇒拭いてあげたか、

火傷のおそれ⇒冷やすものをもっていったかなど)。


報告内容がいい加減では引き継ぐ責任者も素早い対応ができません。

内容がわからなければ、「何かございましたか?」というような対応

しかできません。そうするとお客様は

「何を言っているんだ!さっきの子に言ったよ!また言わせるのか!」

と不快感が増し大きなトラブルに発展しかねません。

なので、正確にクレーム内容を責任者へ報告できるようにしっかり話を聞く

ことを普段から教えてください。

よくある事例

よくある事例を挙げていきます。

あくまでもセオリーの事例です。お客様が何を求めて

いるのか。その要望にお応えするのが優先されます。

お店のルールや決まりを押し付けにならないようにしましょう。

やはり、お客様の言い分を最後まで聞くことが重要です。


1) 商品に異物が入っていた

 ➀深くお詫びをしする。

 一目みて原因がわかれば内容を説明しても良いです。

 「ゴム手袋の破片が入ってしまったと思われます。誠に申し訳ございません。」

 ②お客様にお詫びをし、

「もしお取替えさせていただけるのでしたら、代わりの商品を

 お持ちせていただきたいのですが」とあくまでもお客様の要望を伺ってから

 お取替えをする。

  ※「すぐにお取替えします」とは言わないこと

  ※新しい商品は責任者が料理提供を行い、お詫びする。

 ③「もう気分が悪いからいらない」

  「新しいものを持ってこられても食べられない」

  「そんな時間はない」

 などと言われ場合は、再度深くお詫びをし、代金を返金させていただきたい旨を伝える。

 ④店長が不在の場合は

 「後日改めてご連絡させていただきたいと思いますので、

  大変失礼ですがお名前とご連絡先をお聞かせいただけないでしょうか」と言い、

  住所、氏名、電話番号を伺い、店長へ報告する。

 ⑤返金する場合

 セットメニューの一部アイテムに異物混入があった場合は、

 セットメニュー代をお返しする方が良いと思います。

 皆さんの会社お店ではどうしているか確認してください。

 ⑥お帰りの際は店長、または代行の責任者が再度お詫びをする

 ⑦異物が不明な場合

  お客様に報告を求められた場合は混入経路を追跡し報告する。

  原料メーカー、自社工場にも協力を仰ぐ。

 ⑧エリアマネージャーなど上長へ報告する

上記のように対応してみてください。店長が不在の時は社員、パート・アルバイトに

関わらず、その時間帯の責任者がが対応してください。

2) 食器などの汚れや欠けを指摘された場合

 ➀深くお詫びをする

 ②現物確認

 「すぐに代わりの商品と交換させていただきますので、

  ○分ほどお待ちいただけますでしょうか。」

 ※時間が分かればお伝えした方がお客様は安心します。

 了解を得たら直ちに商品をお取替えさせていただく。

 ③再度提供する商品を確認して提供する。

  同じ失敗は許されません。


※食器の破片を飲み込んでしまった

 ・体調を気遣い、その後異変が起きたら病院へ行くことをお勧めする

 ・お客様のお名前、住所、電話番号を伺う

 ・翌日体調の変化を伺う

 ・飲み込んだ食器の破片が原因で体調不良となったら、

  医療費等の代金をお店で負担する。

  (必ず事前に上長へ報告し、会社の判断も確認しておく)

3) 料理の味について苦情を言われた場合

 ➀お客様に状況を聞き、お断りをして料理を下げる

 ②レシピ通りの味でない場合は

 「誠に申し訳ございません。」と謝り、

 「お取替えさせていただきたいと思いますがいかがでしょうか。」と

  お客様の要望を伺う。

 ※作り直す了解を得たら、キッチンへ確認し待ち時間を伝える。

 ※キッチンにはレシピ通りの商品を作るよう念を押す。

 ③レシピ通りの場合

 「当店の味となっておりますが、お口に合わないようでしたら

  他の商品に代えられますか」とご提案をし、他のメニューをお勧めする。

 ※お客様のお好みの味をお聞きしてご提案する。 

 ④レシピ通りの味ではない商品の代金は頂かない。

  レシピ通りではない=欠陥商品ですよね。

4) 料理が遅い、来ないと指摘された場合

 ➀まず言われた従業員が誠意をもってお詫びをする

  「申し訳ございません。直ぐに確認してまいります」

 ・料理が出来ていた ⇒ すぐに提供する

           「大変お待たせして申し訳ございませんでした」

 ・まだ出来ていない ⇒ 状況をお伝えする

           「申し訳ございません。ただ今お作りしておりますが、

            もう○分ほどかかります。お待ちいただけますでしょうか。

 ②お客様に「もういらない」と言われた場合

 「誠に申し訳ございません。こちらの商品は代金を引かせていただきます」

 ③修正伝票を持参して、誠意をもってお詫びをする

 「先程は大変失礼いたしました。お会計から引かせていただきましたので

  ご確認ください」

 「今後このようなことが無いように注意してまいります。

  本日は誠に申し訳ございませんでした」


※注文の履歴がない場合

 料理が来ないと言われ、確認したら注文内容が分からない。

(データが消えた、消してしまった、伝票を紛失した)

 これは最悪の事態です。

 ・お客様にお詫びし、正直に説明します。

  「注文内容が消えてしまい分からなくなってしまいました」

 ・再度注文を伺う 「本当に申し訳ございません。再度ご注文をお聞かせ願いますか」

 ・最優先で商品作成する

 ・料理提供は全て責任者が行う

 ・中間サービスも責任者が行う

 ・状況によっては特別なサービスも考える(食後にコーヒーを出してあげるなど)

 ・お会計、お見送りも責任者が行う


注文が全くキッチンに通ってなく料理が出ていなかった時は

お客様のお怒りレベルは相当高くなるので、責任者が全て対応しましょう。

まとめ

数例ですが、具体的な内容を挙げてみました。

店長不在時にこのようなクレームが発生したら、誰が代行として

対応するかは明確にしておきましょう。

時間帯責任者のパートさんが対応するのか、キッチンの社員が対応するのかなど。

その場になって右往左往しては対応が遅れ、2次クレームになりかねません。


お客様に呼ばれて最初に苦情を受けるのはパート、アルバイトさんだと思います。

最低限の初期対応(お詫びし、お客様の言い分を聞き、しっかり報告する)は

全員出来るようにしておいてください。


万全を期して営業に臨んでもクレームはゼロにはなりません。

責任者として対応する時は覚悟を決めて対応しましょう。

対応に不慣れでも、流暢に話せなくても、誠実に謝る姿勢や気持ちはお客様に

伝わるものです。その上で要望に沿ったご提案ができれば大抵のお客様は

許してくれると思います。


引き続きクレーム対応については書いていきたいと思います。

今日も店長や店舗候補の皆さんにお役に立てれば幸いです。


ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。