マネジメント

飲食店 あまり語られない店長の仕事

これまでマネージャーの5大職務、4つの準備業

など技術的なことを書いてきました。今回は少し違った角度から

見た店長の仕事を書きます。

店長の最も大事な仕事は職場の人間関係を良好に保つこと

だと思います。

従業員を使って店舗ビジネスをしている店の

店長であれば、人間関係のトラブルとそれを解消することは避けて通れない事だと思います。

どんな年代のどんな性格の人がいても組織をまとめて、皆仲良く、一致団結した組織を

作れる店長には関係ない話かもしれません。

しかし、そこまで到達するにはある程度時間はかかると思います。

多くの店長は自店の従業員同士のいざこざや、人間関係のトラブルに

悩んでいるのではないでしょうか。

それが部下で解決できなければ、店長に頼られますので店長が解決しなければなりません。

そこで、私が考える人間関係問題解消法5つ列記します。

1.問題を未然に防ぐ

2.派閥を無くす

3.弱い人へのフォロー

4.ズル賢い人にだまされない

5.逃げない

以下順番に記載します。

問題点を未然に防ぐ

外食業にかかわらず、どんな仕事でも問題点を未然に防ぐのは基本ですから、

「当たり前のことを言うなよ。」と言われそうですね。しかし、やはり大事なことです。

問題が起きなければ対処する必要もありません。

機器や設備は故障しないように日々メンテナンスや清掃をすると思います。故障すると

業務が止まりますし、余計な修理代(コスト)がかかるからです。

従業員にもそれが言えます。

店長は毎日の営業の中で従業員の表情、明るさ、

態度などを見ていつもと違うことに気付くことが大切です。そして、話かけてください。

いつもと違う状態の原因が仕事のことなら解消してあげないといけません。

問題は放置すれば大きくなり、最後手に負えなくなります。

(機器ならば故障、修理不能。従業員なら辞めてしまいます)

派閥を注視する

人それぞれ好みや嗜好が違うので、気が合う合わないは必ずあります。仲良しグループ

はできて当然だと思います。しかし、それが派閥化し、グループ同士が敵対や、

仲間外れを作ったりし出すと問題です。

シフトの変更が偏り、営業中従業員同士の連携がうまくいかないという状況が生まれます。

結果、良い営業はできません。

過去、私が引き継いだ店ではこんなことがありました。

それは、定期的に多くの従業員が日曜日に休み希望を出し、人が揃わないという事態です。

原因は従業員がバーベキュー大会を開き皆で休みを合わせていました。

前任の店長は気づいていたのに、手を付けず放置していたのです。

放置すればこのような事態も発生します。普段の会話から誰と誰が仲が良いのか、逆に悪いのか。

バイト同士の飲み会やイベントに誰が参加しているのかなど注視しておいてください。

派閥の中心人物とはしっかりコミュニケーションをとっておきましょう。

弱い人へのフォローをする

従業員にはいろんなタイプの人がいます。中には口数少なく、黙々と仕事を

こなす方もいると思います。一見目立ちませんが、お店にとっては貴重な人です。

なぜなら、このようなタイプは継続性があるので長く勤めてくれ、着実に未来の

強大な戦力になるからです。

しかし、不器用だったり、スピードが遅かったりすることで社員、

パートからも軽んじられる可能性があります。

放置していると、私にはこの仕事向いてないかな。なんて一人で考えこんでしまいます。

このような従業員をフォローしてください。一見目立たない人も見逃さず、

しっかり評価してあげることが重要です。

まじめに働いている人をしっかり見ているよ。

あなたの働きぶりを見ているよ。

と相手にわかってもらうことが重要です。

ズル賢い人にだまされない

お店のことを思って発言や提案をしているようでも、よく考えると自己中心的な

やり方に仕向けようとする人もいます。嫌いな人を排除しようとする人もいます。

仕事ができてリーダー的存在な人が実は裏で権力をもっていて、パート、

アルバイトのボス(悪い意味で)だったなんて経験はありませんか。

饒舌で仕事ができる人に何度もだまされそうになりました(涙)。

店長に対して裏表がある人は必ずいます。裏の面はなかなか見えないもの。

部下の社員や新入社員などパート、アルバイトと近い立場の人から情報は良く取っておきましょう。

問題が発生したら逃げない

「1」で述べたように問題を未然に防ぐことが一番大事。しかし、それでも起きてしまったら

逃げないこと。これが最も重要です。

お店の長は店長ただ一人。現場で発生する問題は責任をもって対処するのが店長の仕事です。

人間関係のトラブルは厄介なことが多く、「めんどくせーな」と思いがち。

けれど、放置すれば職場の雰囲気は悪くなり、オペレーションにも影響します。

その結果、お客様の満足度は下がり客数も落ちるでしょう。問題を放置する姿に部下は幻滅して

店長の言うことも聞かなくなるでしょう。そうなれば、お店は崩壊していきます。

対応方法はお客様のクレームと全く一緒です。トラブルが発生している従業員同士の言い分をよく

聞き、解決策を探してください。疑問や分からないことは上司や人事部に相談してください。

店長一人で解決できなければ上司の協力も仰ぐ必要があります。

まとめ

人間関係の問題が発生しないような、従業員皆が店舗の目標に向かって一致団結している

お店作りが本来目指すところです。そんな組織ができれば人間関係のトラブルなど

発生しないでしょう。

しかし、そこまでのレベルに店長自身がなるには時間がかかります。

外食業ではありませんが、私も未だ現役の店長ですから、

これを書きながら自分に言い聞かせています。

かつて、エリアマネージャー時代、部下の年上の店長がこのようなことを言ってました。

「店長の仕事一番の仕事はさ、パート、アルバイトとうまく付き合って、円満な職場を作ること

でしょ。これができなければ、オペレーション技術も管理技術もいらないよ」と。

確かにそうだなと思い、10年以上前言葉ですが忘れられません。

今回は教科書的ではない店長の仕事でした。

 

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。