トレーニングの手順の中で、「ひとり立ちさせる」という項目がありました。
ひとり立ちするには、まず教えた作業をできるようになってもらわなければ
なりません。教えたことを復習し、頭で覚えてもらうことは非常に大切
です。しかし、外食業は実際に作業してお客様へのサービスや調理を行います。
ですから、実際に動き、作業ができるようにしなければなりません。
それには訓練が必要です。ここでは訓練について触れたいと思います。
繰り返し行う
作業ができるようにするには訓練が必要です。お分かりの通り、作業を繰り返し
行うことです。ただ繰り返えせば良いのではなく、常に同じ手順、同じ動作で
行うことによって作業のフォームを固めてしまい、それが習慣となるまで
繰り返すことです。
同じ手順、同じ動作で行うから習慣になりやすく、無駄がなく、誰がやっても
同じ仕上がり状態となり、バラつきがなくなります。
スポーツ選手が何度も同じ練習を繰り返しフォームを固めるのと同じです。
だから、作業を教育訓練する時は、動作一つ一つにこだわり、確認して
いかねばなりません。一つ一つの動作の仕上がりが作業の仕上がりとなるからです。
覚えたポジションをしばらく担当してもらうことで、繰り返し実践する機会を
与えてあげましょう。
関心を持ち続ける
訓練のポイント2つ目は常に関心を持ち、評価し続けることです。
新人さんの作業が少しできてきて、段々手が離せるようになると、作業の確認が
おろそかになる場合があります。
トレーナーも忙しいので、新人に手がかからなくなれば目を放すことも
多くなると思います。しかし、放置してはいけません。
常に関心を持っていれば、間違いに気付いたり、良くできていることに
気付きます。そして、間違いがあれば指摘し、修正させ、あるべき状態にします。
良くできていれば、ほめてあげて継続させてあげてください。
そうすることで部下は常に自分は上司に見られているという意識を持つようになります。
まとめ
新人さんには早く一人前になってほしいとお店のメンバーはみんな思っている
ことだと思います。だからこそみんなで育んでいかなければなりません。
人はいつもほめられたいと思っているものです。
店長、トレーナーは従業員の作業に関心を持ち、常に観察して良い、悪いを
言ってあげてください。良ければほめてあげてください。
特に新人さんは不安の中仕事をしています。「それでいいんだよ」の一言で
自信が持て、接客も良くなっていきます。
これができるリーダーがいる店は自然と良くなっていくものです。
新人さんは作業ができるようになってきても、良い仕事をしても何も言われず、
何も変わらない事が分かると心からやろうという気持ちを失います。自分から率先して
新しいことを覚えようという気も起きなくなります。
ですから、常に関心を持ち続け評価し続けることが重要です。
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