トレーニング手順を振り返ると、
- 心、物の準備をする
- 目的を示す
- やってみせる
- やってもらう
- まずほめて違いを指摘する
- ひとり立ちさせる
この手順でした。これを見るとほとんどトレーナーがメインで新人さんに
説明や、解説をしていることが分かります。教える側の話が中心なのは
当然ですが、情報を与えすぎては良くありません。
そこで、注意点を説明していきます。
質問、メモする時間を与える
作業を教えている途中に質問をされたり、ひたすらメモを取って動作を見ていない。
なんて経験はありませんか。新人さんは一生懸命で良かれと思ってやっていますが、
これはあまり良くありません。
質問を契機に話がそれたり、余計な説明をしたりしてしまいます。
また、メモばかり取られると肝心な動作や商品の仕上がり状態を
見逃してしまうこともあります。ですから、質問は別途受付けましょう。
メモは後で時間を作ってあげます。
例)
「これから料理提供を教えます。質問は後でまとめて受けるので、教えている間は
質問しないでください」
「メモを取る時間は後で与えるので、今は私の作業を良く見て、説明を聞いてください」
こんな感じでメリハリを付けます。こうしないと話が脱線し余計な時間がかかったり
してしまいます。
作業をパーツで分ける
どんなに優秀な方でも一度に多くの情報を与えては処理しきれなくなります。
例えば、キッチンで商品を作るには、「使用食材」「分量」「使用食器」「調理時間」
「温度」を覚えなければなりません。
ですが、新人さんに商品を教える時、一度に上記全てを教えても分ったようで
分かっていないでしょう。
見本を見せながら調理して、食材、手順、分量、食器名、調理時間や仕上がり状態、
失敗しないポイントやまとめて注文が来た時のこと、などまとめて教えたら頭がパンクします。
ですから、まず動作、手順、食器を教え、同じように動いてもらう。動けてきたら、
一旦止めて、レシピや調理時間、注意点などをメモしてもらう。
こんな感じで分けて教えてみてください。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=55という数式があったとします。
この式を一気に読み上げられてパッと暗算できる人は少ないと思います。
しかし、1+2は?3+3は?3+4は?と分けて聞けば誰でも暗算できるでしょう。
このようにトレーニング時は作業をパーツに分けると相手は分かりやすいです。
教えすぎない
作業をパーツに分けて教えると似ています。一度に教え過ぎないことも大事です。
トレーナーは当然作業ができ、お店の中で優秀な人でしょう。できるからこそ
いろいろなことを教えたくなります。
マニュアルにないコツ、こうした方がやりやすいという裏技、大量オーダーが来た場合、
常連様の対応などなど。
早く一人前になってほしいために自分の知識を全部与えようとしてしまいます。
これも新人さんの頭をパンクさせます。
まずは基本的な作業を覚えて、できるようにすることが優先です。その後さらに
ステップアップさせる時に応用を教えればよいのです。
まとめ
トレーナーは良かれと思っていろいろ教えてしまいがちです。しかし、相手は新人さんです。
まだ仕事のイメージがついていないので多くのことを教えてもあまり意味がありません。
まずは単位作業を教え、繰り返し、一つ一つできる作業を増やしてあげてください。