今回は損益書を活用し経費を適正値にするためにはどうするか書いていきます。
これを読めば問題数値改善のために何を見れば良いか分かります。
どの経費項目にも言えますが、損益書の経費項目から問題点を推測します。
数値から問題点が予測できればあとはそれを
現場で確認し、問題点を断定して、作業を直していきます。
まず材料費からいきましょう。
材料費
材料費の基準値は理論値でした。理論値に対して何%ブレているのかが問題となります。
POSなどから理論値が自動で出れば良いですが、
それが無い場合は現メニューで売上に対して原価率は何%にするか決めておきます。
その理論値に対して材料費(実際の仕入れ額)が多ければ利益を減らしています。
この時の原因は、
・発注ミス(過剰)
・スタンバイ過剰
・納品ミス(保管忘れ、保管温度帯間違いでロス)
・規格外商品納品
・納品間違い(発注したのに納品なし、仕入れ計上あり)
・歩留まり悪い(原料が悪い、加工技術不足)
・オーバーポーション
・商品作成ミス
・ディッシャップコントロールミス
・オーダー取り間違い
・料理提供間違い
・お客様のミス(言い間違い。商品、数量)
・棚卸しミス
・急なコース予約キャンセル
・機器の故障
・クレーム対応(作り直し、クレーム商品の値引き)
・不正(食材の盗難、勝手に飲食してる…)
などなど。
不正がなければ、発注から商品提供までの間に必ず材料費がブレる原因があります。
原因究明していってください。
ちなみに、在庫が多いお店で材料費の適正値を
守れている店は見たことありません。
在庫過剰は何一ついいことありませんよ。
理論値に対して材料費が少なければ、利益には貢献しますが、
喜んではいられません。
お客様に良い商品を出せていないことになります。
商品が貧相になっていて、顧客離れが起こります。
人件費
基準値は客数に対する標準時間や人時売上高でした。人件費率で見る
こともあるかもしれません。
人件費が基準値よりオーバーしているのは、
時給単価か労働時間が多いから。
時給単価が高いのは、
・売上に対して社員が多い
・残業が多い
・休出が多い
(人不足、教育不足、社員しかできない仕事が多い)
労働時間が多いのは、
・適正なワークスケジュールになっていない(シフト作成段階で過剰)
・能力不足(単一ポジションしかできない。フォーメーションができない。よって人海戦術)
・採用時のトレーニング時間
・暇になった時のシフト交渉不足
などなど。
人件費も過剰になれば利益を減らします。しかし、売上を上げるために
採用やトレーニングは必要です。また、この日は売れるという日にしっかり
人員を揃えておくのも重要です。
学生が入れ替わる時は注意しましょう。採用、トレーニング、追加トレーニング時間が
かさみやすいです。そんな時はいつまでに適正値に戻すか
店長とエリアマネージャーとの共通認識が必要です。
まとめ
二大経費である材料費、人件費について書きました。
材料費に関しては発注から商品提供までの長い工程でどこに問題があるか
推測することが大事。発注書、納品書、スタンバイ表などは一定期間保管
しておき、原因追究時に確認が取れるようにしておいてください。
発注などの事務的なミスがなければ、問題はオペレーション中に発生していることになります。
人件費は絞りすぎて売り逃しのないようにしてください。
二大経費が安定すればお店の収益は安定していくと思います。
次回は管理可能費について書いていきます。