管理業務

損益書を活用する <その参・管理可能費>

前回損益書を活用するため材料費、人件費についての見方、

改善法について書いてきました。

今回はその他の経費である管理可能費について書いていきます。

これを読めば管理可能費のコントロールの仕方が分かると思います。

材料費や人件費より複雑ではありません。

管理可能費

各経費を見る前に、管理可能費とは何か確認しましょう。

管理可能費とは、店長が管理できる材料費、人件費以外の経費のことです。

例えば、水光熱費、消耗品費、食器、器具費、採用費など。

店長はじめお店の従業員の努力で変えられる経費です。

一方、家賃や機器のリース代などの店舗の努力ではコントロールできないものがあります。

これは管理不可能費となります。

店長自身が土地のオーナーへ土地代の交渉を行うことは大概の企業ではないでしょう。

(もちろん会社によると思いますが)

管理可能費は材料費、人件費の2大経費ほど金額としては大きくありませんが、

やはり店長が変われば数字も変わります。

消耗品費

消耗品費の基準値は自店の平均構成比か客数前年比とスライドしているか。

営業収入のうち何%が消耗品費として使用しているのかわかっていることです。

売上の増減に連動するので、客数前年比と消耗品費前年比が連動した

動きになっているか確認してください。

ブレている時、

・発注ミス

・在庫量は適正か

・清掃時の使用道具は正しいか

・洗剤の希釈、用途は正しいか

・ダスターの使用方法、捨てるタイミング

などなど。

従業員の作業のクセでバラつきが出るでしょう。

金額としては大きくなりませんが、消耗品の無駄遣いをしない、させない

ことで、経費に対する意識の教育となり、適正数値を保てます。

食器・器具費

自店の平均構成比と同じかどうかが基準値。

毎月一定の食器代にしている店長は「できる店長」だと思います。

季節変動や宴会シーズンなどを見越して先に使用量が増えるであろう

食器類をコンスタントに発注しているからです。

食器の発注を抑えれば利益になりますが、抑え過ぎは問題です。

食器やグラスの不足はオペレーションを乱し、

チップや塗り物の剝がれが目立つ食器を入れ替えなければ、

料理の価値が下がります。

食器発注の注意点

・コース料理使用食器(年末は事前時発注)

・年末年始の繁忙期前

・旬メニュー期間だけ使用する器具

・季節変動する商品(夏・冷たいメニュー、冬・鍋系食器)

電気代

前年実績と自店の平均構成比が同じかどうか。

客数の増減によって変動はしますが、基本的にはお店の機器によって決まります。

固定費に近い部分もあります。

従業員のモラルによるところもあるので、店長が変わると数値が変わることもあります。

消耗品同様、無駄にしない教育、しつけが大事です。

最も電気代に影響するのはエアコンです。フィルター清掃は定例化しておきましょう。

水道代

前年実績と自店の平均構成比が同じかどうか。

水道代も固定費に近いですが、これも無駄にしない教育、しつけが大事です。

地域によって水道料金は単価が大きく異なります。新しい店に着任したら

自店の単価を確認してください。

過去に同じ県内でも倍以上単価が違うこともありました。

ガス代

前年実績と自店の平均構成比と同じかどうか。

ガス代も固定費に近いですが、客数と従業員のモラルに連動します。

ティータイム、深夜帯などお客様が少ない時間帯は

茹で麺機のガスは最小にしておきましょう。

旬メニューの導入時やメニュー改定によって使用量が上がることがあるので注意です。

まとめ

管理可能費の中で主要な経費を見てきました。金額は2大経費に及びませんが、

無駄遣いすれば目に見える事ばかりです。

無駄遣いをしない、させない教育としつけをして「抑えるべき経費は抑える」

というお店の文化を作ることで数値は安定します。

店長は異動があっても、パートさんはお店に長く勤めてくれるので、

お店に良い習慣を根付かせてください。

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。