前回に続き、エリアマネージャーが担当店舗の業績を上げていくにはどうするか。そのお話しをしていきます。直接店舗を運営しないエリアマネージャーは店長達の力をいかに発揮させ、お店を活性化させるか。それがポイントです。切磋琢磨しながら、成長していく店長、従業員を見て、さらに変わっていく損益書を見てうれしくなる。それがエリアマネージャーの仕事の醍醐味ですよね。今回も記事を読んでエリアマネージャーの店長の動かし方が分かれば良いと思います。
影ほめ 店長をやる気にさせる
私はかつてエリア内を訪店する際、訪店した店舗と違う店長をほめていました。初めは無意識でやっていましたが、後にそのことを「影ほめ」言っていることを知りました。エリア運営には効果的だと思います。
例えば、A店で店長と話している時に、B店をほめる。
「 B店の店長は作業割り当てがしっかりしてるからパート、アルバイトさんでしっかりお店が回るよ。だから休みもとれてるよね」
C店で店長と話している時にD店をほめます。
「D店の店長はデシャップの教育がうまいから、パート、アルバイトのデシャップコントロールで提供時間がエリアで一番いいよ。
「E店の店長はクリンネスのこだわり凄いからいつ行っても、キッチンピカピカだよ。」
こんな感じで行ったお店と違う店舗をほめます。
エリア内でそれを続けると、店長の間でも話題になってきます。
「マネージャーがB店長ほめてたよ。」
「いやいや、マネージャーうちの店に来た時にA店長のデシャップ教育をほめてたよ。」
「俺はC店長のクリンネスのこだわりが凄いから店ピカピカだよ。見に行った方がいいよと言われたよ。」
と言うようにエリア内の店長の共通の話題になると思います。そうすると、余裕のある店長は気になる他店を見に行くようになるでしょう。そうして次第にエリア内の活性化につながり、競争も生まれてきます。また、自分と違うタイプの店長のお店を見ることで学ぶ機会が増えます。
自分が店長をやっていて、上司が他店で自分の良いところを言っていたと聞いて悪い気はしません。「直接言えよ」と思うこともあるかもしれませんが、それでへそ曲げて仕事の質を落とす人はいないでしょう。
このような方法でエリアの店長のやる気をかきたて、競争状態を作っていくことでそれぞれの店長がお店を良化させてくれます。
私がエリアマネージャーをしていた頃は半分以上無意識で影ほめをしていたと思います。なんとなくエリア運営がうまくいって、エリアの数字が良くなってきた時に、自分の中でエリアの店長を動かす方法の一つとして身につけた感じでした。
ただ数年前、ユーチューブ講演家鴨頭さんの動画を見ていた時に、この影ほめについて語っている講演を見ました。自分の中で言語化してなかったことが語られており、腑に落ちました。こちらもぜひ見てみてください。
トップランナーを作る
エリアの数値を向上させるには、各店の店長が店の数値を良くすること。これは何回も触れてきました。さらにもう一つここで紹介したいと思います。それはトップランナーを作るということです。
エリアマネージャーと店長で決めた目標を確実にクリアしていき、お店の売上や経費管理をメキメキ良化していく店長は必ず出てくると思います。また、急成長してベテラン店長を追い越す店長も出てくることでしょう。こういう店長をトップランナーとしてエリアを引っ張ってもらいます。成功事例があれば開示してもらい、組織全体で共有しましょう。これについてくる店長が増えてくると、乗り遅れていた店長や斜に構えている店長も焦ってきて、「やばい。うちもやらないと」と行動に移してくれると思います。その結果、エリア全体が前向きに動き、数値も良化していきます。
ここで大事なのは、エリアマネージャーは常に一定で客観的な評価をしていることです。トップランナーがひいきにされているからだとか、いつも本部スタッフにフォローしてもらっているからだ、などと思われてしまっては周りはついてきません。ですから、一定に評価し、同じ環境で競争できる状態を整えていく事がエリアマネージャーとしては必要となります。
当然店長達は他店の数字を見てますから、意識しているはずです。トップランナーについて行こうと皆が動き始めたら後は管理していくだけです。組織が動いていき、数字が良化する喜びはエリアマネージャーの醍醐味でしたね。ぜひ試してみてください。
まとめ
エリアマネージャーの数値改善方法について2点書きました。
店長を動かすマネジメント方法は人それぞれ、いくつものやり方はあると思います。今、皆さんがやっているマネジメントはもちろん間違いではありません。
私が書いたことも正確とは限りません。ただ、他者の事例や情報を入れることは大事です。迷った時に真似してみて、ダメならやり方を戻すなり、違う方法を試すなりしてみれば良いと思います。普段孤独なエリアマネージャーですから、本、ブログ、仲間や上司、店長の話などから常に勉強してエリアを動かす人になっていきましょう。
今回の記事がエリアマネージャーの皆様に少しでもお役に立てれば幸いです。