エリアマネージャー

飲食店・エリアマネージャーの店長指導方法

今回はエリアマネージャーの店長(部下)指導方法を記載していきます。

ここまでなるべく具体的にエリアマネージャーの仕事のポイントを書いてきました。

前回までの記事に記載した、売上対策も経費対策もこれが全ての答えではありません。また対策案を店長に実行するよう指示してもお店は良くなるものでもありません。改善策をすべてエリアマネージャーから提示して実行するよう指示しても店長は成長しません。

実際にお店を良くするのは店長です。店長が動いてくれなければ、お店は良くならず、結果的にエリアの数値や状態は向上しません。では実際にどう指導していくか書いていきます。

今回の記事を読めばエリアマネージャーの店長への指導方法が分かると思います。

まずはルールを守る(守らせる)

お分かりの通り、エリアマネージャーは毎日担当店舗へは行けません。通常はおおよそ週に1回です。対策店や直接店舗で教育する必要がある店長がいればそこへ集中的に行くため、月に数回しか行けない店舗も出てきます。離れているのでエリアマネージャーと店長の信頼関係が必要です。それはルールを守ってもらうことから生まれます。会社のルール、店舗のルール、オペレーションのルール、報告書や提出物のルールなど会社には様々なルールがあります。これを自ら守るのは当然ですが、店長に守ってもらうことがスタートです。このベースがないと会社が決める店舗のQSCのスタンダードは守れません。また、エリアマネージャーは事後処理に追われることとなります。

ルールを守ることはスキルや熟練度は関係ありません。守っているか否かだけですので、

守らない店長がいたら放置せず、指摘してください。ルールあっての自由です。

任せる

ルールを守る状態がベースになったら、あとは任せていきます。

店舗の目標や予算は決まっているはず。それに向かって店長は日々お店で奮闘しているでしょう。エリアマネージャーは日報や週報、月報などで結果を確認。出ている結果が目標に対してどうなのか。差があれば、「次どうする?」、「ではそうしよう」を繰り返し、店長にお店を運営してもらいます。目標に向かう途中、経過介入しないことがポイントです。エリアマネージャーは店長を経験しているので、店舗の数値改善にはどうしたらよいか自分なりに答えを持っていると思います。ただ、良かれと思ってこと細かく店長に改善案を教え過ぎると店長は成長しません。逆に「言われた通りやったけど、結果出ないじゃん」と上司のせいにする体質の店長になります。それを担当店舗全店でやるとあなたの部下は全員指示待ち、言われたことしかやらない。結果が出ない時は人のせいにする店長になります。成長させようと思ってこと細かく教えたつもりが逆に成長を阻害してしまいます。

任せる時の注意点

やり方が違えば教える

基本は店舗運営を任せていきます。しかし、やり方が間違えていたら結果は出ないので、違えば教えてください。出来るまでは訪店頻度を増やして一緒にオペレーション指導やマネジメント指導をします。そして、徐々にやり方が分かってきたら手放していきます。

スポーツでも最初の基礎やフォームが正しくないといくら頑張っても上達しません。野球で言えば、正しいバットスウィングが出来なければ、ボールは遠くに飛びません。ですから、正しいスウィングができるまでは教えます。

任せられるまでは教えて、できてきたら任せるようにしましょう。

あくまでも店長主体でお店運営をしてもらうことが最も重要です。店長の成長がエリアの成長、会社の成長となります。

スタートと目標を明確にする

店舗運営は店長に任せ、途中の経過介入はしないのが基本ですが、それにはスタート地点と目標が明確になっていなければ店長はゴールに向かって集中して進めません。

目標は数値で設定し、納期も明確にします。

例えば、

翌月末で客数前年比を95%から100%まで上げる。このように目標を決めます。

こんな感じの設定は良くやっていることと思います。この目標に向かうスタート時点で疑問や言い訳を先に聞きます。つまり、言い訳の前処理をします。飲食店において1ヶ月で客数前年比を5ポイントも上げるには普通のことをしていたらムリです。月末になってから目標が高すぎたなど言い訳をさせないために、最初に懸念事項などを出してもらいます。

5ポイント上げるには、販促費○万円増額を認めて欲しい。週末人員ヘルプを欲しい、など先に話し合います。その策を決めた上で、本当に大丈夫か確認し、実行してもらいます。先に店長の提案や懸念事項を取ってあげたということは、権限をあげたことと一緒です。あとは自らの責任を果たすため店長に店舗運営をしてもらいます。このようなエリア運営をしていけば強い店長達が育っていくと思います。

まとめ

エリアマネージャーの指導方法について書いてきました。基本は任せることです。会社員とはいえ、店長は一国の主ですからプライドをもってお店を良くして売り上げをあげていってくれるはずです。

自分のエリアマネージャー時代を振り返ると、若手の店長へは経過介入しすぎていなと反省しています。店長達に効率的に成長してもらおうと問題解決方法などを明示して、実行だけさせるようなこともしていました。結果的に自立した強い店長には育てられなかったと思います。当時このやり方でいいのかと迷っていましたが、最近「識学」の考え方を学び、やはり間違えていたと気づきました。ちなみに、株式会社識学の安藤さんが書いた「リーダーの仮面」は良い本でおすすめの一冊です。

エリアマネージャーは毎日店長と一緒にいれません。「任せる」ことが最も重要で、任せ方を覚えるべきだと思います。

エリアマネージャーは一人で動くことが多く、自分の指導方法に迷うこともあります。今回の記事を読その迷いがで少しでもなくなれば幸いです。

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。