管理業務

クレーム対応について(クリーニング、食中毒疑い、警察通報編)

今回も引き続きクレーム対応についてお話ししていきます。

こぼして服、カバンを汚した、食事をして帰ってから体調が崩れた、

お客様から脅されたなど皆さん一度は経験したことのある事例についてです。

内容は前回より重くなりますし、経験がないと正直言って焦ります。

また、高圧的に責められたり、長期戦になると心が折れそうになることもあります。

そうならないためにも、最低限の知識は入れておきましょう。

これを読めば、服を汚した、食中毒の問い合わせ、警察通報について

どのように準備しておけばよいか分かると思います。

衣服、カバンなどを汚してしまった(クリーニング対応)

ドリンク、スープをこぼしてしまう、食器を下げている時ドレッシングが垂れてしまうなど

従業員のミスで衣服やカバンを汚してしまうことがあります。

パート、アルバイトから報告を受けた瞬間、「マジかよ」と気分は落ちますが、誰しも

ミスはあるものです。責任者の皆さんにはしっかりと対応して欲しいです。


➀お詫びをする 

 当たり前ですね。

②体の心配をする 

 熱いものだったら火傷してしまうかもしれません。

③冷やすものを持ってくる 

 熱いものをこぼして、体にかかった場合はすぐに冷やすものを持ってきて

 火傷にならないようにします。 

④きれいなタオルを用意して衣服を拭く

 テーブルや床を先に拭いたりしないように。テーブル、床よりもまずお客様の汚れて

 しまった衣服が先です。

⑤汚れを落とす

 できればお預かりをして、汚れた部分に対して、ぬるま湯に浸した白タオルを押し当てて 

 叩くようにして汚れをタオルに移し取る。

 ※乾かないうちに対処する

 ※白タオルを何回も取り替える

⑥汚れが落ちない場合はクリーニングに出す

 ・店舗でお預かりしてクリーニングに出すか、お客様に出していただくか話し合う。

  どちらのケースも代金はお店が負担する。

 1)お客様がクリーニングに出す場合

 ・お客様がクリーニングに出す場合は代金を立て替えていただき、

   領収書と引き換えに代金を払う。

 ・「領収書を届けていただけますか」など安易にお願いしない。

  お店のせいで「汚されたり、クリーニングに出したりしているのに、

  わざわざ店に領収書届けさせるのか」とお怒りになります。

 ・領収書は取りに行った際に代金を支払う。

 2)お店がクリーニングに出す場合

 ・クリーニング仕上がり日を連絡しておく

 ・クリーニングが済んだらお客様に連絡を入れる。

 3)クリーニングが完了したら、仕上がりを確認して承諾を得る

  万が一、クリーニングが完了しても納得してもらえないようであれば、

  再度話し合いを行う。

 「完全に取り切れていない汚れが気になるから新しいものを用意して欲しい」

 「汚れは落ちたが、もう着たくない。新しいものを用意して欲しい」

  など言わることもあるかもしれません。

 汚してしまったことに対する謝罪と汚したものを回復はさせているので、

 それ以上の要求はお断りしていいと思います。

 しかし、初期対応が悪かったことによる2次クレームで怒りが収まってなく、

 代わりに「新しいものを・・・」と言われているかもしれません。

 ケースバイケースですので上長と話し合って対処方法を決めてください。

「クリーニングすればいいんでしょ」と安易に考えず、丁寧に対応することが大事です。

「娘にもらった服なのに・・・」、

「誕生日プレゼントにもらった服なのに・・・」ということもあります。

 お金で買えない思い出が含まれていることもあります。

 お体の心配をしながら、よく話を聞き、最後まで連絡を取り合い

(いつ仕上がります。 何日に伺います)対応してください。

食中毒の疑い

食事して帰られてから電話で下痢や腹痛などの症状があったと

連絡がくる場合があります。

下痢や腹痛は本人の体調や食べ合わせ、その日摂った食事など

いろいろな要因があるので本当に自分の店が原因なのかとすぐには分かりません。

しかし、しっかりお話しを聞き対応しましょう。


➀体調の心配をする

 

②事実確認をする

・お客様の症状

・発病日時

・来店時間、人数

・食べた料理

・誰に症状が出ているか

・お客様の連絡先

③お詫びをする

 先程も言った通り、体調が崩れた原因は様々ですし、別の店で食べた料理が

 原因ということもあります。ただ、原因がはっきりするまで全く謝罪しない

 とお客様の気が収まりません。

 不快な思いをさせてしまったことへお詫びします。

④病院へ行くことをお勧めする

 あまり症状がひどいようでしたら病院で診てもらうことをお勧めします。

 初回の治療費をお店で負担して良いと思いますが、これは上長に確認してください。

 お支払いする場合は診断書を取ってもらいましょう。

⑤原因を調査する

・当日同じ料理が何食提供されているのか

・別のお客様から体調の訴えがないか

・料理に使用した食材のスタンバイ時間、賞味期限

・調理を担当した従業員の体調

・別のお客様から体調不良の訴えがあった場合、食材の一部を保管する

・保健所や検査業者、社内の検査部などに依頼して食材の検査をしてもらう

※当日同じ料理を食べた人に同様の体調不良が起きていない場合は、

 お店側の原因ではないと判断する一材料になります。


実際私もこのような苦情を受け、原因を調査し、その後お客様とお話ししました。

「お客様が召し上がった料理は、当日○○食他のお客様へも提供しました」

「食材の賞味期限も調べましたが、野菜は当日朝お店で加工し、

 ソース類は○時に開封したものです。いずれも賞味期限内で管理されております」

「調理した従業員も体調不良者はなく、手洗いは○時間おきにしております」

「今のところ他のお客様から同じような体調不良のご連絡はありません」

このような内容をお伝えしたことがあります。

それでも納得されないようであれば、保健所に相談して欲しい旨をお伝えしたことがあります。

体のことですのでお客様は心配になりますし、実際にお腹を下してトイレを往復

するようなことは自分に置き換えて考えるときついことです。

ですから、お客様の気持ちに寄り添い、お話しするよう心掛けてください。

自分の店のせいではないと決めつけた態度でお話ししないよう気を付けましょう。

警察へ通報

お店に警察を呼んだことはあるでしょうか。

私は過去に1度しかありませんでした。

お客様同士のケンカで止めに入れないほどの状況だったので通報しました。

ただ、振りかえるとクレーマーに長い時間対応せざるを得なく、

非常にきつかった時「警察を呼べばよかった」と思ったことがあります。

ただ、その時はどういうときに警察を呼んでよいか

よく分からなかったです。皆さんは知っていますか?

こんな時は警察に頼りましょう

以下に挙げてみます。参考にしてみてください。

・従業員を叩いた

・店内の物を壊した

・店内に唾をはいた

・物を投げてきた

・テーブルを叩く、椅子を蹴る

・従業員へ大声でどう喝する

・長時間の拘束、問い詰め

・ほかのお客様に迷惑になるような行為 

 (大声で叫ぶ、大声で店や従業員の悪口を言う)

・土下座や謝罪文の要求

・帰らない 「閉店時間なんて知るか!」


こんな時は「警察に来てもらい、お話しを聞いてもらいましょう」と

できればその場で通報することを伝えて連絡しましょう。怒りが収まるかもしれません。

対応している当人が警察に連絡はなかなかできないこともあります。

なので、最低でも店長、副店長、キッチンチーフ、時間帯責任などは

どんな時に警察に通報していいかを理解しておき、クレーム対応者以外の

従業員が通報してください。

まとめ

今回はどれも重めの案件ですが、店の落ち度が原因で服を汚したり、

お客様を怒らせたりしたら素直に謝りましょう。

クリーニングや食中毒疑い、警察への通報案件も初期対応が悪い

2次クレームで問題が大きくなります。

初期対応の悪さで長期のお客様対応になってしまったり、

慰謝料などの余計な費用がかかったりしてしまいます。

やはり日々の教育がリスク管理にもつながります。

料理、サービス、クリンネスがしっかりしていればクレームの

リスクは自ずと下がりますから。


長くなりましたが、今日は以上です。

今回も店長や店長候補の方々にお役に立てれば幸いです。

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。