これまでデシャップコントロールとはどんな仕事か。
また、デシャップをする上での確認事項など説明してみました。
デシャップコントロールでは遅れを防いだり、遅れを回復させるため、
作業割り当てを変えて遅れているポジションにフォローに入れると説明しました。
ここではそのフォローの仕方を説明します。
しかし、その前にまず調理工程を理解することが必要です。
その後どのようにフォローすればよいか説明していきます。
これを読めばキッチン作業において、フォローの仕方が分かり、提供時間が早くなるコツが分かると思います。
調理工程を理解する
フォローの仕方を説明する前に、商品を仕上げるまでの調理工程を理解しておくことが大事です。
調理工程
①準備
②商品作成(炒める、揚げる、煮る、茹でるなど)
③盛り付け
この3つの工程を経て商品が仕上がります。
当たり前のことですが、順に説明していきます。
①準備
フライパンに具材や調味料を入れる。揚げるネタ(食材)を揃える。
茹でる麺の数を数える、味付けする食材を計量するなど。
また、使い終わった道具を次に使うために洗う。これも準備と言えるでしょう。
実際に加熱や加工をする前の段階です。
②商品作成
準備した食材を炒める、茹でる、揚げる、焼くといった工程です。
ここで重要なのは、この時間は短縮できないと理解することです。
茹で時間、揚げ時間は忙しいピークタイムだから短くしよう。
遅れ気味だから炒める時間を短くしよう、といったことはできません。
スタンダードな商品ができなくなります。
③盛り付け
炒め、焼き、揚げ終わった食材を皿に盛り付けます。
最後のトッピングや皿を拭くなども含まれます。
①~③はごく当たり前のことです。しかし、工程を理解すれば、分解や組み立てができ、料理提供が遅れた時どの工程を助ければ遅れが解消するか分かります。それが分かれば未熟練な人にも具体的な指示ができます。
フォローの仕方
フォローを入れる場合は調理工程毎に作業者を分けます。
Aさん:準備、盛り付け
Bさん:商品作成
商品作成時間(炒める、煮る、揚げる、茹でるなど)は短縮できませんから、
商品作成の手を止めさせないことが提供スピードを上げることとなります。
つまり、Bさんは準備、盛り付けをすることなく、ひたすら調理し、仕上げはAさんに
任せる。そしてAさんが準備した食材をまた調理することです。
Aさんは盛り付け、仕上げをしたら、シンクのフライパンや道具を洗い、次に作成する
食材を用意する。なくなりそうな食材を補充する。などをしてBさんが次にすぐ調理できるように準備するのです。
例えば天ぷらの場合、Aさんはネタを用意し、打ち粉を付けところまで準備する。
次に揚げ終わった天ぷらを盛り付け、大根おろしをトッピングし、料理を出す。
Bさんは用意されたネタに天ぷら粉を付けひたすら揚げ続ける。
フライヤーの中が常にいっぱいの状態を継続することです。
このように調理工程毎に作業を分担すれば動線はぶつからず、スムーズに流れ出すと思います。
遅れているポジションを回復させるため、フォローの人を送り込んでも
思ったほどスピードが上がらないという経験をした方はいませんか。
「二人で作っているのに何で料理出せないんだ!」なんて言ってしまった経験がある人もいるかもしれません。
二人で準備、商品作成、盛り付けを行うと、動線が重なり、スピードが上がらないことが多いです。
自店のキッチンを振り返ってみてください。
まとめ
ピークタイムのキッチンでは必ず作業量が偏り、遅れが発生するもの。
そこを打開するためには、調理工程を理解し、分担して作業できるようにしておくことがポイントです。
具体例は天ぷらですが、自店の商品に置き換えて試してみてください。