エリアマネージャー

飲食店・やってはいけないエリアマネージャーの行動

前回はエリアマネージャーの店長への指導方法を書いていきました。今回はもう少し突っ込んだお話しをします。

その前に、エリアマネージャーはエリアのリーダーですから、「リーダーの4つの要件」は常に意識してそれに沿った行動をしてください。

さて、今回はエリアマネージャーがやってはいけない行動につい書いていきます。

意識してないとついやってしまい、店長の店舗運営をやりにくくして、リーダーシップを失うきっかけになります。

また、店長達との仲は良いけど、成果が上がらない組織になり業績を上げられなくなったりします。

エリアマネージャーの店舗での言動は本人が思っているより結構重いです。

店長、社員を含め全従業員があなたをよく見ています。「エリアマネージャーという立場の人がこの程度じゃこの会社もたかが知れているわ」と思われては、部下達の会社発展へのモヂベーションは落ちてしまうでしょう。

今回の記事を読めばエリアマネージャーとしてやってはいけないことが分かると思います。

指示に従わない店長を放置する

やってはいけない行動一つ目は、エリアマネージャーの指示に従わない店長を放置することです。

店長の時、部下の社員、パート、アルバイトさんが自分の指示に従わなかったら注意していたと思います。指示通り動いてくれなければ、お店はイメージ通りに回らず、その結果お客様に良いサービス、良い商品提供ができなくなります。それと一緒で、エリアマネージャーの指示に従わない店長がいたら、指摘しなければなりません。

お互い会社員であり、上下関係がはっきりしているので、上司であるエリアマネージャーの指示に従わないなんてありえないと思うかもしれません。

しかし、実際これはよくありますよね。お分かりの通り、エリアマネージャーは毎日担当店舗全店に行けませんので、毎日監視はできません。店長もそれを分かっていますから、「はい、分かりました」と言うものの、実際行動に移していないこともあります。

全部悪意があって、指示を無視していることはないでしょう。けれども、指示に従わない店長へ指摘しなければ、エリア内の統制は取れません。

放置すれば、「言われたことやらなくても、何も言われないからいいや」という認識になり、その情報はエリア内を駆け巡ります。

指摘しにくい店長へも、しやすい店長へも差を付けず、できていないことは指摘しましょう。指示に従うことや決まりを守ることは組織人として基本的なルールなので、どんな店長へも指摘してください。年齢差、話しやすさ、自分と性格が合う、合わないは関係ありません。

ここで注意して欲しいことは、指示の出し方です。分かりにくい内容や誤解を生む表現では店長達は実行に移しにくいので、放置されることもあります。

指示を出すときは誤解を生まないように数値で表現、納期を明確に、事前に質問や意見を聞いておいてください。

下に降りない

次にやってはいけないことは、下に降りないということです。

分かりにくいと思いますので説明していきます。会社組織はピラミッド状の階層になっています。エリアマネージャーは部長と店長に挟まれた階層にいます。いわゆる中間管理職ですね。その今いる階層から一段降りて、店長と一緒の意識で仕事をしてはいけないということです。

エリアマネージャーは常に一人で行動するので孤独感があります。その孤独感から脱したいとか、部下である店長に嫌われたくないという気持ちが沸きます。

そして、ついつい店長に受けの良い行動をとってしまいがちです。

例えば、お店に行っては、オペレーションヘルプばかりして店長を助けようとします。店長は手伝ってもらえれば、助かるし、自分が楽になるからエリアマネージャーを頼ります。頼られると自分の存在意義がある気がして悪い気はしません。悪い気はしないので、同じ行動を繰り返してしまいます。

一旦立ち止まって考えてみましょう。

店舗でオペレーションをするのは店長はじめ社員、パート、アルバイトさんです。その方々の作業を率先してやることは、あなたは自分の役割を果たしていません。

店長のお助けマンになることで個人的には存在意義を感じられても、組織内の存在意義はないということになります。

エリアマネージャーの役割はお店のQSCを向上させ、売り上げを上げる。また、競争対策の責任者です。その役割を実践するには下に降りてはいけません。

一個飛ばし

やってはいけないことの3つ目は、一個飛ばしです。これも少し説明します。

エリアという組織の中で一番上の階層はエリアマネージャーです。その下に店長がいて、その下に店舗のスタッフがいます。このようにエリア内は3階層になっています。

一個飛ばしというのは、3階層のトップであるエリアマネージャーが2つ下の階層である店舗スタッフへ直接指示、指導をして店舗運営をしてしまうということです。

緊急時など例外はありますが、全て店長を通して指導するのは大原則です。

一個飛ばしをやられると店長はどう感じるでしょうか。

「俺を通してくれよ」とか、「俺には店を任せられないのか」などと不信感が生まれます。一個飛ばしが常習化すると、店長は自分の存在意義を失い、成長しなくなります。最悪の場合、辞めてしまいます。

店舗スタッフからすると、2人の上司が生まれ、どちらの言うことを聞けばよいか迷います。もし、エリアマネージャーと店長の指示が真逆の内容だったら、言われた従業員はどうしていいか分かりません。

私が店長の時、上司のエリアマネージャーに一個飛ばしをやられて、本当にイライラしました。ピークタイムにお店に現れ、エリアマネージャーが指揮してお店を回し出し、ピークタイムが終わると、「じゃあね」と帰っていきます。

後日その時の振り返りや、直接介入した理由の説明もありませんでした。これが続くと、自分は店長として価値が無いのかとも思うようになりました。未だに謎です。

会社批判

やってはいけないこと4つ目は、会社批判です。

エリアマネージャーは店舗と本部との橋渡し的な役割を担います。会社が決めた政策を現場に落とし込まなければなりません。

担当店舗にもレベルの差はあるでしょうから、「全店で徹底するのは難しいかな」と思う政策もあるでしょう。自分の意見や提案が通らず、意図する形ではない政策を自エリアに落とし込まなければ時もあります。しかし、そこは頭を切り替えて、自分の役割に徹してください。

「こんなこと店にやらせるような会社じゃダメだな」などと、会社の悪口や批判はしてはいけません。エリアマネージャーが会社批判することで、店長達は皆会社嫌いになります。

会社に批判的になれば、ルールや方針に従わなくなっていきます。それは部下を没落させるのと一緒です。批判する暇があったら、どうしたらお店が良くなるか、会社全体が良くなるか考えることに時間を使うように切り替えてください。

まとめ

エリアマネージャーとしてやってはいけないことをまとめました。

自分のエリアマネージャー時代を振り返るとこれらすべてできていたわけではありません。ただ、うまくいっていなかった時は結局このような、やってはいけない行動をとっていたと思います。

エリア運営は店長がいなければできません。なので、店長に信頼されなければお店は動かせません。エリアのリーダーとして自分の行動と、やってはいけない行動を理解し、日々の仕事に取り組んでいってください。

エリアマネージャーについて書かれている書籍は少ないですが、リーダーについての本はよく読んでいます。組織を動かすリーダーについての本は世に多くありますよね。

「エリアマネージャーの店長指導方法」でもご紹介した「リーダーの仮面」は非常に役に立つ本でした。ぜひ参考にしてみてください。

今回の記事を読んでエリアマネージャーの指針になれば幸いです。

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ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。