オペレーション

予約のお客様対応(宴会編)

前回は「席だけ予約」のお客様についての対応方法をお話ししました。

今回は団体予約のお客様への対応方法をお話しします。

団体と言っても色々あると思いますが、宴会、法事、慶事などの機会で

集まる会食についてお話しします。これを読めば団体予約に対してお店で

準備すること分かると思います。

店でやることは「席だけ予約」の時と流れは同じです。

①受付

②事前確認

③事前準備

④当日実行

⑤お礼

このような手順です。

会合の目的によってお店に求める事が変わってくるので、①の受付時にしっかりと

お客様とお話してください。大きな規模の予約となりますと、1件で数十万円の売上になります。

これはもう予約受付というより商談と考えて内容を決めてください。

このコロナ禍で宴会がなくなっていると思います。売上的にも損失ですが、

店舗従業員の技術の蓄積が断絶していることも損失ですよね。

最近入ったパート、アルバイトさんたちは団体予約の対応をする機会がない為、

経験値がありません。過去にいた経験豊富な従業員も卒業し、

店舗で技術の伝承ができなくなっているはず。需要が戻った時に少しでも楽に

教育できるようこの記事を役立ててもらえればうれしいです。

宴会予約の対応

まずは宴会予約の対応からお話しします。

受付

ここで聞くことは席だけ予約の時と変わらず6項目ですが、より詳しく聞いていきます。

1. お客様のお名前

企業名や団体名も聞いておく。

予約されるのは幹事様ですが、当日お店に来る幹事以外の人は団体名を名乗ります。

「予約の株式会社○○だけど・・・」

「○丁目の会合できたんだけど・・・」

こんな感じで来店されるので、団体名を聞き漏れるとご案内しにくく、入り口が混乱します。

2. 連絡先

複数の連絡先を聞いておく。

会社の電話番号、部署の電話番号、幹事様の携帯番号とご自宅の番号など、

複数の連絡先を聞くことが大事です。万が一番号を聞き間違えたり、番号を記入ミス

等すると事前確認がとれません。

数十名の団体予約を確認が取れず内容を詰めておけなければ全く準備ができなくなり、

当日混乱します。

3. 日時

予約の日時を聞くのは当然ですが、席や部屋が何時まで使用できるかなど、

お店の事情があればお伝えし確認を取っておきましょう。

4. 人数

人数変更はいつまで受け付けるかお伝えして下さい。

お店や会社によると思いますので自店のルールに沿った期限をお伝えします。

5. 席だけの予約か、コース料理か

団体の人数や幹事様の要望によりますが、コース料理を決めてもらうことを

お勧めします。予算を伺い、最適なコースをおすすめしてください。

コース料理を好まないのであれば、料理数品をテーブル数分決めてもらうことを

お勧めします。

さらに、人数によっては、乾杯のドリンクを決めてしまうことをお勧めしてください。

「乾杯用に最初は瓶ビールとノンアルコールビールでよろしいですか」

などどお勧めして決めておいた方が良いです。

数十人から生ビールを頼まれてもとても同時には提供できませんよね。

団体様のフリーオーダーが当日ものすごい量来たら、

一気に厨房はパンクし、他のお客様へも料理、ドリンク提供が遅れます。

6. 要望あれば聞く(料理、ドリンク、席の場所・・・など)

会合の目的や人数に応じて様々な要望を言われると思います。

できないこと、他のお客様に迷惑がかかること以外は極力対応して

あげて欲しです。宴会で来られる方は客単価が高いお客様だと思います。

この方々を満足させて上げられれば、リピーターになってくれるはずですから。

事前確認

受付時に聞いたことをしっかり確認しておきましょう。

直前の人数変更もあるかもしれません。必ず事前に確認した方が良いです。

事前準備

団体予約に対応できる準備をします。

・人揃えはできているか

・食材の発注はできているか

・席、部屋は足りているか

・食器、備品は足りているか(大皿、グラス、カセットコンロ・・・など)

・お客様の要望(備品を貸してほしい、受付台を貸してほしい、送迎バスの手配・・・など)の

準備はできているか

当日実行

当然ながら当日の予約内容はフロア、キッチンの全従業員が把握します。

お約束の時間に会がスムーズに開けるよう席のセッティング、ドリンク、

料理の準備をしておきます。

まず、乾杯がスムーズに進むようにドリンク提供しましょう。

ドリンク待ちでお偉いさんの乾杯のあいさつを待たせては最悪です。

幹事様の顔に泥を塗ることになり、苦情の原因となります。

ポイントは

・乾杯をスムーズにできるようドリンク提供する

・テーブルに料理がない状況はつくらない

・経過や時間を幹事様に伝える

 (コース料理はあと何品です。飲み放題終了時間20分前です。など)

先手、先手でサービスしていきましょう。

お礼

会が終わったら幹事様に感謝の意を伝えて欲しいです。ただ、幹事様も酔ってしまって

いることもありますので、後日お礼のお礼状やメールを送ると良いと思います。

まとめ

宴会で楽しんでいる傍ら、あまり楽しめないお客様もいます。それは幹事様です。

幹事様はとにかくこの会を成功させることに気を遣います。宴会が成功すれば、

当然社内でも話題になり、幹事は一目置かれるもの。

ですから、お店の従業員は幹事様の要望にはなるべく応え、幹事様に満足して

もらえるようにしてください。それが宴会リピーターを生みます。          

また、宴会でご来店される大人数の中にはお店に初めて来られる方もいます。

ここで良い印象を与えれば、後日別のメンバーと食事や飲みに来てくれることも

しばしばあります。販路を広げる意味でも宴会のお客様へ良い料理、良いサービスが

提供できるよう取り組んでいきましょう。

この記事が一日も早く役立てる日が来るのを祈ります。

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。