マネジメント

飲食店 マニュアル文書の作り方

今日はマニュアルの作り方についてお話したいと思います。

皆さんのお店、会社にはマニュアルはあるでしょうか。形はどうあれ、大半のお店でマニュアルはあると思います。ただ、小規模店舗や企業によってはあまり整備されていないこともあります。

マニュアルがあれば、教えるのが楽で、いちいち他人に聞かなくてすみます。また、教わる側も統一されたことを教わるので混乱が少ないです。

(Aさんはこう教えてくれたけど、Bさんは違うやり方で教えている。どっちを聞けばいいの?ということが減ります)

ですから、マニュアルはあった方が仕事はしやすくなると思います。

もしなければ作ってしまいましょう。自分でも作業を見直す良い機会になると思います。

これを読めば、店舗で使えるマニュアルの作り方がわかると思います。

マニュアルとは

実際に作る前にマニュアルとはなんだ。ということを確認してみましょう。

「チェーンストアのための必須単語1001」によると、

マニュアルとは標準化された仕事の作業手順指示書で、作業命令を完全に表現した文書。

一つ一つの作業方法と道具、動作、手順で細かく具体的に文書化したもの。

文字に限らず、イラスト、レイアウト図、記号、数字を多用して補足し、わかりやすくする。

とあります。

堅苦しく書いてありますが、要はこれを読めば誰でも内容を理解して、作業ができる文書ということです。

誰でも理解できて、読めば誰でもできるというのがポイントです。

マニュアルがあるメリット

マニュアルの作成方法を説明する前に、マニュアルがあるメリットを共有しましょう。

マニュアルのメリット

  • 教える人が楽
  • 教わる側も楽
  • 人による作業のばらつきが減る
  • 教える内容のばらつきが減る
  • 作業者が変わっても同じ状態を保ちやすい
  • 引継ぎがしやすい
  • 復習できる

主にこのようなことが挙げられます。社員も、パート、アルバイトさんも異動や退職などで定期的に入れ替わります。入れ替わりの時にマニュアルがないと店の状態を維持しにくいです。

マニュアルのデメリット

メリットもあればデメリットも当然あります。これも共有しておきます。

マニュアルのデメリット

  • マニュアルの内容しかやらなくなる
  • 創意、工夫が少なくなる
  • 考える、判断することが苦手になる
  • メンテナンスが大変

「マニュアルどおりにやってればいいんでしょ」というように投げやりになって、マニュアル以上のことを目指さなくなる人が出てきます。

マニュアルで作業も考え方も固めすぎると、「もっと良くしよう!」「こうした方が速い!」といった工夫や向上心が減ることもあります。

マニュアルを無視して自由に作業をしては、マニュアルの意味がありませんが、マニュアルで縛りすぎると現場の従業員は何も考えなくなります。

ここうしたデメリットは個人や組織の成長を止めかねませんので注意してください。

マニュアルの作り方

さて、ようやく作り方に入っていきます。

あまり固く考えずに、「いつも行っている作業を文章にしていけばいいんだ。」とまずは気軽に書いていってください。

1.マニュアル作成の手順

①マニュアルを作る作業を洗い出す

マニュアルがない作業、人によってやり方が違う作業などを優先してください。

②作業名をつける

作業名がなく、人によって違う呼び方をしていることがあります。

そういった作業には名前をつけてください。作業名が統一されると作業指示が出しやすく、指示を出された人も違う作業をやることがなくなります。

③手順を書く

文章は短く。一動作一文で箇条書きのような感じ。

2.マニュアル作成のポイント

①作業が最もできる人の動作をマニュアル化する

作業が速くて、仕上がりが一番良い人の動作を文章にしましょう。

②注意点やポイントを書く

間違いやすい点、コツのような補足を入れる。

③数字を入れる

何回、何往復、目安時間、仕上がり温度など。

これを入れることであいまいさがなくなってきます。

例)テーブルを拭く ⇒ 右から左へ3往復で拭く

④禁止事項を書く

⑤使用する道具を書く

⑥あいまいな表現をなくす

例)きれいに× ⇒ 5回拭く〇   速く× ⇒ 1分で〇

⑦イラスト、写真を入れる

⑧商品名は書かない(特に洗剤はよく変わることがあります)

例)キレイキレイで手を洗う× ⇒ 手洗い洗剤で手を洗う〇

サンプルとしてはこんな感じです。

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3.使用前にチェックする

誤字、脱字はないか。そもそもわかりやすい内容か見直しをします。

これは書いた人ではなく別の人にお願いしましょう。きっと間違いや疑問点を指摘されると思います。そこで、修正しましょう。

4.<最重要>メンテナンスする

マニュアルができたら、それを使って従業員が作業をできているか。

マニュアル作成者が意図した仕上がり状態になっているか確認します。

読んだ人が「これどういう意味?」と他の人に聞いていたり、

意図した仕上がり状態になっていたら、マニュアルの内容が悪い可能性があります。

読み手にはわかりにくく、作業を間違いやすい表現になっていると予測されます。

もう一度見直してください。

時間が経過すれば、メニューが変わる、客数が変わる、道具が変わる、機器が変わるなど、お店の状況は変化していきます。

それに応じてマニュアルも見直し、現状に合わなければ直してください。

これは面倒ですが、最も大事なことです。

メンテナンスをしないと結局マニュアルが活用されなくなります。

書いてあることと現状が違えば「読んでも意味ないじゃん」となり、読まれなくなってしまいます。

結局、口伝や見て学ぶというような状況に逆戻りです。

5.保管する

マニュアルの保管場所は冊子、データ問わず誰でもすぐに見られる状態にしてください。

まとめ

今回はマニュアルの作り方について書きました。

現在は動画のマニュアルも大部普及していると思います。動画は非常に分かりやすいですが、視聴時間が多く取られてしまいます。

また、撮影・編集も技術がいると思いますので、まずは文書で作ってみてください。

マニュアルができたことでトレーニングが楽になったり、従業員のレベルが上がったりして少しでも働く環境が良くなると思います。

忘れてはいけないのはマニュアルをベースとしてそれを超える作業やサービスを考え続けることです。

マニュアル作業の基本を身に着けたら、より良く、速く、簡単に作業ができるにはどうするか。そのことを常に念頭に置き、改善、提案をどんどんしていきましょう。

今回の記事が飲食店で働く皆さんにお役に立てれば幸いです。

ABOUT ME
しんぷそん
外食チェーン企業に20年勤務。店長、エリアマネージャーを経て 購買部で仕入れも担当していました。外食業の自分なりの経験や趣味、 について書いていきます。現在は小売業の企業に勤務中。